PHP による Web アプリケーションとはちょっと毛色は異なるが、Windows SharePoint Services (略して WSS) を入れてみる。
WSS は、ASP.net を存分に使った IIS 上で動作するグループウェアアプリケーションであり、企業に於ける部門ポータルとして機能する。
OSS というわけではないが、Windows Server を持っていさえすれば無償で使うことができる。
しかも Microsoft 謹製ということもあり、とりあえず使ってみるには便利なのかもしれない。
インストールパッケージのダウンロード
Windows Server 2008 には WSS 自体は付属していない。
このためまずは WSS のインストールパッケージを入手しなくてはならない。
ダウンロード元のページは、Microsoft のダウンロードセンターで「SharePoint Services」を検索すれば直ぐに見つけられる。
新しいサービスパックの提供などによって、ダウンロードセンターから入手できるインストールパッケージのバージョンが変わる可能性があるが、今日時点で入手できる最も新しいインストールパッケージは Windows SharePoint Services 3.0 x64 (Service Pack 2 同梱版) になる (x86版は ダウンロードの詳細 : Windows SharePoint Services 3.0 (Service Pack 2 同梱版) ) ので、これをダウンロードする。
ASP.net の追加
上に述べたように、WSS は ASP.net によって構成されている。
このため、IIS で ASP.net を使えるようにしておかないと、WSS を動かすことができない。
そこでまず、サーバーマネージャの役割から「Web サーバー (IIS)」を開き、IIS の役割サービスで「役割サービスの追加」をクリックする。
すると、IIS の「役割サービスの選択」ウィザードが立ち上がってくる。
この「選択サービスの選択」ウィザードは「Inatall Maniax 2009 作業開始」で IIS のインストールを行ったとき (具体的な記述は「スキルチャージプログラム構築記 (その3)」に記載) の「役割の追加」ウィザードの途中で表示されるものと同じだ。
IIS をインストールしたときに指定した機能は、このウィザードでも既に選択されている。
このウィザードでは「アプリケーション開発」の下に位置する「ASP.NET」にチェックを入れる。
「ASP.NET」にチェックを入れたときに、必要な役割サービスの追加を確認するダイアログが表示されるので、「必要な役割サービスを追加」をクリックしておく。
後は「次へ」(または「インストール」) をクリックしていけば、IIS で ASP.net が使えるように構成される。
Windows SharePoint Services のインストール
IIS で ASP.net が使えるようになったところで、先にダウンロードしておいた WSS のインストールパッケージを実行する。
最初にライセンス確認のダイアログが表示されるので、ダイアログ左下にあるチェックボックスをチェックしてから「次へ」をクリックする。
次は、インストールの種類選択のダイアログが表示される。
ここは「基本」をクリックしておけばよい。
複数台のサーバーにインストールした WSS を結合して、ひとつの WSS として動作させるのでなければ、「詳細設定」を選ぶ必要はないだろう。
WSS のインストールの進捗を示すインジケーターが表示されるので、じっくりと腰を据えて待つと、最後にインストール完了のダイアログが表示される。
インストール完了のダイアログの中程に「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する」というチェックボックスがある。
WSS を起動する前には、必ず「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード」を実行しておかなくてはならないようなので、このチェックボックスにチェックが入っていることを確認して、「閉じる」をクリックする。
SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード
すると WSS のインストールウィザードの終了と入れ替わりに「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード」が立ち上がる。
「次へ」をクリックすると、処理中に幾つかのサービスが停止する旨の警告が表示される。
WSS をインストールしたサーバーは、インストールマニアックスのためのサーバーなので、これらのサービスが一時的に停止したとしても問題はない。
「はい」をクリックすると、構成の進捗を示すダイアログが表示され、暫く待つと「構成成功」ダイアログが表示される。
以上で WSS のインストールが完了する。
確認のため、サーバー上の Web ブラウザで自分自身にアクセスしてみる。
認証ダイアログが表示されるので Administrators グループに属するユーザーで認証を行うと、WSS のトップページが表示される。
Windows SharePoint Services の接続ポートの変更
さて、WSS がインストールできたのはいいが、このままだと他の OSS が全く使えない状態になってしまう。
どういうことかは、IIS マネージャをみれば直ぐに分かる。
「Inatall Maniax 2009 作業開始」で作ったインストールマニアックスのための IIS の Web サイトが停止になっている。
代わって開始されているのは、「SharePoint – 80」という名前の WSS の Web サイトだ。
これは WSS をインストールするときに、インストールの種類に「基本」を選んだためだと思う。
たぶん「基本」でインストールすると、WSS をサーバーの規定のサイトにしてしまうのであろう。
できることなら WSS が、他の OSS と同様にサーバーのサブディレクトリへのアクセスで参照できるようになるのが望ましいのだが、今の状態を基に WSS をインストールマニアックスのための Web サイトの仮想ディレクトリに配置させることは非常に困難であり、実現できなかった。
このためやむなく、WSS を別のポート (81 番ポート) でアクセスさせるようにする。
暇があれば、改めて WSS を「詳細設定」でインストールして、仮想ディレクトリに配置できるか試してみたい。
WSS を規定の 80 番ポート以外の別のポートでアクセスさせるように変更するためには、まず WSS を停止させることから始める。
つまり、また一時的にこの Web サーバーを停止させることになる (実際には Web サーバーの停止ではなく WSS のサイトの停止だが、WSS のサイトだけしか動作していないため、アクセスする側から見ると Web サーバーを停止したのと同じように見える) 。
IIS マネージャで「SharePoint – 80」という名前の Web サイトを、右側の Web サイトの管理メニューを使って停止させる。
「SharePoint – 80」という名前の Web サイトが停止したら、「SharePoint – 80」のコンテンツメニューから「バインド…」をクリックする。
「サイトバインド」ダイアログが開くので、ポート欄が「80」になっている行 (そもそも 1行しか表示されていないはず) を選択して「編集…」をクリックする。
「サイトバインドの編集」ダイアログで「ポート」欄を「81」に変更して「OK」をクリックする。
ついでなので、「SharePoint – 80」のコンテンツメニューから「名前の変更」をクリックして、WSS のサイトの名前を「SharePoint – 81」にしておく。
これで WSS が 81 番ポートでアクセスできるようになったので、WSS の Web サイトを開始する。
また、停止していたインストールマニアックスの Web サイトも開始しておく。
ところがこれだけでは WSS の Web サイトにアクセスすることができない。
Windows ファイアウォールによって、81 番ポートへのアクセスが禁止されているからである。
このため、Windows ファイアウォールの設定を変更して、81 番ポートへのアクセスを許可してやる必要がある。
そのために、[スタート - 管理ツール - セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] をクリックして「セキュリティが強化された Windows ファイアウォール」を実行する。
「セキュリティが強化された Windows ファイアウォール」の左側のペインで「受信の規則」を選択しておき、右側のペインにある「新規の規則」をクリックする。
「新規の受信の規則ウィザード」が開くので、規則の種類として「ポート」を選択する。
「プロトコルおよびポート」ではそれぞれ「TCP」「特定のローカルポート」を選び、ポートの欄に WSS をアクセスさせるポート番号「81」を記入する。
「操作」では「接続を許可する」を選択し、「プロファイル」では「ドメイン」、「プライベート」、「パブリック」の全てを選択する。
最後に名前の入力してファイアウォールの受信規則が作成できる。
ここでは「Windows SharePoint Services (Port 81)」という名前にしておく。
これでどこからでも 81 番ポートで Windows SharePoint Services にアクセスできるようになった。
Windows SharePoint のユーザー
WSS にアクセスする際には、ユーザーアカウントが必要になる。
WSS で使うユーザーアカウントは、今までにインストールしてきた OSS の Web アプリケーションとは異なり Windows に登録されているユーザーアカウントになる。
このため WSS のためのユーザー登録も Windows で行うことになる。
WSS をインストールしたサーバーは、インストールマニアックスのためのサーバーであるため、ドメインにも参加させていないし、ユーザーもほとんど登録していない。
そこで、特に深く考えることなく「WSSGuest」というユーザーを素直に登録してしまう。
Windows にユーザーを登録しただけではまだ WSS にログインさせることはできないので、WSS でもこのユーザーを登録しておく。
まず、Administrators グループに属しているユーザーを使って WSS にログオンする。
初めて WSS にログオンしたときは、ActiveX コントロールのインストールが要求されるので、これをインストールしておく。
Administrators グループに属しているユーザーで WSS にログオンしたら、ページの右上付近にある「サイトの操作」をクリックして表示されるプルダウンメニューから「サイトの設定」をクリックする。
「サイトの設定」ページが表示されたら、「ユーザーと編集」にある「ユーザーとグループ」をクリックする。
「ユーザーとグループ」ページにはこのサイトにアクセス可能なユーザーの一覧が表示されるのだが、まだ誰も登録していないので、今のところは 1行も表示されていないはずだ。
ここでは「新規」をクリックして表示されるプルダウンメニューから「ユーザーの追加」をクリックする。
「ユーザーの追加」ページが表示されるので、「ユーザー/グループ」欄に先ほど Windows で登録したユーザー「WSSGust」を記入する。
ユーザーを記入した後に「ユーザー/グループ」欄の右下にある
をクリックすると、Windows に登録されているユーザーと比較して、正しく入力されていればユーザー名を UNC に変換して下線を表示する。
ユーザーが登録されると、先ほどの「ユーザーとグループ」ページにユーザーが表示される。
これでようやく WSS が使えるようになる。
なお、WSS に付いての詳しい情報は Microsoft が提供している TechNet のサイトにある「Microsoft Windows SharePoint Services の更新プログラム、トレーニングなど」を参照するといいだろう。
ここでインストールした Windows SharePoint Services は http://maniax.compnet.jp:81/ でアクセスできる。
「ユーザ名」欄に「wssguest」、「パスワード」欄に「guest」と入力し、「OK」をクリックしてほしい。


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